一般事業主行動計画

一般事業主行動計画とは
企業が自社の仕事と家庭の両立に関する状況把握と課題分析を行い、それを踏まえて策定する行動計画です

次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。なお、一般事業主行動計画には、この次世代法に基づくもののほかに、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づくものの2種類があります。

また、従業員101人以上の企業には、一般事業主行動計画の策定・届出、公表・周知が義務付けられています。従業員100人以下の企業でも、任意に計画を策定することで、メリットを得ることができます。

Advantages

行動計画策定で得られるメリット

メリット1

企業イメージ向上、妊娠や出産による離職が減ることで優秀な人材の確保や採用につながる

 

メリット2

公共調達における加点評価を受けることができる

 

メリット3

えるぼし認定やくるみん認定の取得につなげることができる

 

Service

次世代法に基づく行動計画

01計画の内容

行動計画は、次の17の内容から選択して盛り込むものとされています。なお、行動計画の認定を受けるに当たっては、「雇用環境の整備に関する事項」から選択して盛り込む必要があります。

1. 雇用環境の整備に関する事項

子育てを行う労働者等の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備
  • ・妊娠中や出産後の女性労働者の健康の確保について、労働者に対する制度の周知や情報提供及び相談体制の整備の実施
  • ・子どもが生まれる際の父親の休暇の取得の促進
  • ・育児・介護休業法の育児休業制度を上回る期間、回数等の休業制度の実施
  • ・育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備
  • ・短時間勤務制度、フレックスタイム制度など、子どもを育てる労働者が利用できる措置の実施
  • ・子どもを育てる労働者が利用できる事業所内託児施設の設置及び運営
  • ・子どもを育てる労働者が子育てのためのサービスを利用する際に要する費用の援助の措置の実施
  • ・労働者が子どもの看護のための休暇を取得できる制度の導入
  • ・希望する労働者に対する勤務地、担当業務の限定制度の実施
  • ・子育てを行う労働者の社宅への入居に関する配慮、子育てのための費用の貸付けなど子育てをしながら働く労働者に配慮した措置の実施
  • ・育児休業や時間外労働・深夜業の制限、雇用保険法に基づく育児休業給付、労働基準法に基づく産前産後休業など諸制度の周知
  • ・出産や子育てによる退職者についての再雇用制度の実施

 

働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備
  • ・所定外労働の削減のための措置の実施
  • ・年次有給休暇の取得の促進のための措置の実施
  • ・短時間正社員制度の導入の促進
  • ・在宅勤務等の場所・時間にとらわれない働き方の導入
  • ・職場優先の意識や固定的な性別役割分担意識の是正のための情報提供・研修の実施

 

2. 1以外の次世代育成支援対策に関する事項

  • ・託児室や乳幼児と一緒に利用できるトイレの設置等の整備や商店街の空き店舗等を活用した託児施設等各種の子育て支援サービスの場の提供
  • ・地域において子どもの健全育成のための活動等を行うNPO等への労働者の参加を支援するなど、子ども・子育てに関する地域貢献活動の実施
  • ・子どもが保護者である労働者の働いているところを実際に見ることができる「子ども参観日」の実施
  • ・労働者が子どもとの交流の時間を確保し、家庭の教育力の向上を図るため、企業内において家庭教育講座等を地域の教育委員会等と連携して開設する等の取組みの実施
  • ・若年者に対するインターンシップ等の就業体験機会の提供、トライアル雇用等を通じた雇入れ又は職業訓練の推進

02計画の記載例

行動計画には、具体的な計画期間を設定し、できる限り定量的な数値目標を立てることとされています。また、労働関係諸法令で実施が義務付けられているものをそのまま盛り込んだとしても計画の対象とはならないため、法令上義務付けられている水準を超えるものとする必要があります。

記載例

・〇年〇月までに、小学校就学前の子を持つ社員が、希望する場合に利用できる短時間勤務制度を導入する。

・社員のワーク・ライフ・バランスを確保するため、勤務間インターバル制度を導入する。

・年次有給休暇の取得日数を1人当たり平均年間△日以上とする。

・〇年〇月までに、所定外労働を削減するため、ノー残業デーを設定、実施する。

・テレワークを導入し、週◇日程度のテレワークを促進する。

03くるみん認定へ向けて

次世代法に基づく2年間の行動計画を策定し、2年後に達成した場合には、くるみん認定を申請することができます。くるみん認定を取得すると、さらなる企業イメージの向上や、公共調達等での優遇が期待できます。一般事業主行動計画を策定した後は、ぜひ、くるみん認定の取得もご検討ください。

くるみん認定について詳しく知りたい

Service

女性活躍推進法に基づく行動計画

01計画の内容

行動計画は、必ず把握すべき「基礎項目」と、いずれか1つ以上を選択して関連する数値目標を定める「選択項目」を盛り込みます。

1. 基礎項目

  • ・採用した労働者に占める女性労働者の割合(雇用区分ごと)

   直近の事業年度の女性採用者数÷直近の事業年度の採用者数×100(%)

  • ・男女の平均勤続勤務年数の差異(雇用区分ごと)

   ※無期契約労働者及び通算5年以上の有期契約労働者が対象

  • ・労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況

   「各月の対象労働者の(法定時間外労働+法定休日労働)の総時間数の合計」÷「対象労働者数」

  • ・管理職に占める女性労働者の割合

   女性の管理職数÷管理職数×100(%)

 

2. 選択項目

採用
  • ・採用した労働者に占める女性労働者の割合(区) 
  • ・男女別の採用における競争倍率(区)

  • ・労働者に占める女性労働者の割合(区)(派)

配置・育成・教育訓練
  • ・男女別の配置の状況(区)

  • ・男女別の将来の育成を目的とした教育訓練の受講の状況(区)

  • ・管理職及び男女の労働者の配置・育成・評価・昇進・性別役割分担意識その他の職場風土等に関する意識(区) (派:性別役割分担意識など職場風土に関する意識)

評価・登用
  • ・管理職に占める女性労働者の割合

  • ・各職階の労働者に占める女性労働者の割合及び役員に占める女性の割合

  • ・男女別の1つ上位の職階へ昇進した労働者の割合

  • ・男女の人事評価の結果における差異(区)

職場風土・性別役割分担意識
  • ・セクシュアルハラスメント等に関する各種相談窓口への相談状況(区)(派)
再チャレンジ(多様なキャリアコース)
  • ・男女別の職種又は雇用形態の転換の実績(区)(派)

  • ・男女別の再雇用又は中途採用の実績(区)

  • ・男女別の職種若しくは雇用形態の転換者、再雇用者又は中途採用者を管理職へ登用した実績

  • ・非正社員の男女別のキャリアアップに向けた研修の受講の状況(区)
取組の結果を図るための指標
  • ・男女の賃金の差異(全・正・パ有)
継続就業・働き方改革
  • ・男女の平均継続勤務年数の差異(区)

  • ・10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合(区)

  • ・男女別の育児休業取得率及び平均取得期間(区)

  • ・男女別の職業生活と家庭生活との両立を支援するための制度(育児休業を除く)の利用実績(区)

  • ・男女別のフレックスタイム制、在宅勤務、テレワーク等の柔軟な働き方に資する制度の利用実績

  • ・労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間(健康管理時間)の状況

  • ・労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間(健康管理時間)の状況(区)(派)

  • ・有給休暇取得率(区)

02計画の記載例

次世代法に基づく行動計画と同様、具体的な計画期間を設定し、できる限り定量的な数値目標を立てることとされています。また、労働関係諸法令で実施が義務付けられているものをそのまま盛り込んだとしても計画の対象とはならないため、法令上義務付けられている水準を超えるものとする必要があります。

記載例

・〇〇職の女性労働者の採用を1人以上増やす。

・女性労働者の平均勤続年数を現在の◇年より1年以上伸ばす。

・労働者1人当たりの月平均残業時間を△時間以内とする。

・課長以上の管理職の女性労働者を1人以上増やす。

・管理職男女比と全労働者男女比が同程度になるように女性管理職を□%まで増やす。

03えるぼし認定へ向けて

女性活躍推進法に基づく行動計画を策定し、公表した場合には、えるぼし認定を申請することができます。えるぼし認定を取得すると、さらなる企業イメージの向上や、公共調達等での優遇が期待できます。一般事業主行動計画を策定した後は、ぜひ、えるぼし認定の取得もご検討ください。

えるぼし認定について詳しく知りたい

Process

行動計画実施までの流れ

ステップ1 自社の現状や従業員のニーズを把握

  ▼  

ステップ2 目標・計画期間の設定

  ▼  

ステップ3 目標達成のための対策の策定

  ▼  

ステップ4 行動計画の策定

  ▼  

ステップ5 行動計画を公表し、従業員への周知を図る

  ▼  

ステップ6 行動計画を策定した旨を都道府県労働局雇用環境均等部(室)へ届け出る

  ▼  

ステップ7 行動計画を実施する

Service

まずは自社の現状も含めてご相談ください

「興味はあるけれど、取得できるか心配」な場合でも現状の把握からお手伝いさせていただきます。全国対応可能です。