コラム

計画はなぜ作る必要があるのか ~経営における重要性と作成ステップ~

私たちは意識的にも無意識的にも、何らかの計画を立てて生活しています。朝起きて今日何をするか、休みの予定をどうするかなど、計画は特別な作業ではなく、私たちの身近にあるものです。
計画を立てる理由は、上手く行動することや効率的に作業したいなどより良い結果に繋げるために計画する人がほとんどだと思います。ビジネスも同じで、「補助金申請に必要だから」とか「金融機関に言われたから」という理由で作成するのではなく、経営者の想いを形にし会社のより良い未来を描き続けるためのものです。
確かに補助金申請や資金調達を行う上で計画を立てることは必要ですが、計画を立てることを目的とするのではなく、計画は手段として捉えるべきであり、最終的には企業の成長やあるべき姿を実現するためのツールとして活用することが重要です。

トレンドの変遷

経営計画は時代とともに変化し、現在では不確実な経済環境を踏まえた未来志向かつ柔軟な経営計画を策定することが求められています。変化の速い環境に対応しながら、自社に合った経営計画の策定と実行を進めていきましょう。

助成金、補助金、設備投資、生産性、人手不足、VUCA、、経営計画、リーマンショック、ビジョン、中期経営計画、中小企業、事業拡大、中小企業診断士、社会保険労務士

※VUCA・・・現代の社会やビジネス環境が予測困難で不安定な状態にあることを表す概念であり、以下の4つの単語の頭文字を組み合わせた造語
       ・Volatility (変動性): 急激な変化が短期間で繰り返される状況
       ・Uncertainty (不確実性): 将来の予測が困難な状態
       ・Complexity (複雑性): 問題や状況が複雑に絡み合っている状態
       ・Ambiguity (曖昧性): 状況の意味や影響が不明確な状態

経営計画の種類

経営においては様々な種類の計画があります。基本的なものから発展的なものまで、中小企業がかかわる主な計画の種類を一覧表にしましたので見てみましょう。
限られたリソースを最大限活用し、どのような計画を立てるのか目的に合った計画を立てることが重要です。

助成金、補助金、設備投資、生産性、人手不足、VUCA、、経営計画、リーマンショック、ビジョン、中期経営計画、中小企業、事業拡大、中小企業診断士、社会保険労務士、経営革新計画、補助事業計画資金繰り、経営力向上計画

計画策定と活用のステップ

計画の種類は様々ですが、共通して重要なことも多くあります。
計画策定に答えはなく考え方も色々ですが、押さえておいた方がよいポイントを踏まえ、計画策定に向けたステップを解説します。

① 経営者のやりたいこと・やるべきことを決める
経営者の皆さまは自分の熱い想いをもって日々経営に臨んでいることと思います。その持っている想いを会社の目指すべき方向性やビジョンとして明確にすることが必要です。
明確化した方向性やビジョンを目指すためには、会社の経営理念を土台とし、どのような戦略を立て、その戦略を実行するためにはどのような人材が必要なのか、自社の人材・資金・製品やサービス・情報など持っているリソースをどのように活用するかを決めることが重要です。

② ①の内容を言語化する
次に経営者の皆さまが決めた内容を具体的に言語化し、計画に落とし込む段階に進みます。ここでは、①で決めた内容を第三者が見て分かりやすく腹落ちすることができるようにまとめることが重要です。
他社の事例を参考に作成することも有効ですのでぜひ色々見ながら改善していきましょう。

③社内外に発信する
最後に、経営計画を社内外に向けて発信し実行に繋げていきます。発信することは単に情報を伝えるだけでなく、理解と共感を得るために重要ですので、発信した後の反応を見ることや継続的な発信をしていきましょう。

④コミュニケーションの強化と継続的な対話
③とも関連がありますが、激しい環境変化の中では計画の変更に迫られることは珍しくありません。計画を浸透させていくためのワークショップや経営幹部や管理職による継続的な発信だけでなく、計画変更に迫られた際に、なぜ計画変更に至ったのか、会社はどこに向かおうとしているのか等についてコミュニケーションをとることが必要であり、そのツールとして計画を活用することも有効です。

他社事例 ~株式会社ツムラ~

株式会社ツムラは日本を代表する医療用漢方製剤のリーディングカンパニーですが、2022年に新しい長期経営ビジョンである「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」の計画を発表しました。
この計画の中では、「人生のあらゆるステージに寄り添うことで。自然の叡智を科学することで。一人ひとりのすこやかな日々の力となる。」という会社が目指していきたい強いメッセージのもと「一人ひとりの、生きるに、活きる。」のパーパス(企業の存在意義)を掲げ、経営理念に基づく経営を実践することを社内外に発信しています。
さらに、「ツムラアカデミー」という人財養成機関を設置し、ワークショップや研修を通じ、経営計画や理念の浸透の必要性などについて、対話を重視した人財育成が組織基盤の強化に繋がっています。

何をやるか決めて、実行する

経営計画の策定は、企業の成長や事業拡大に向けた重要な第一歩です。しかし、計画を立てることが目的ではなく、何をするか強い想いをもって決めることや計画を立てるまでのプロセス、そして実行することが何より重要です。
最終的には、計画が社員一人ひとりにとって「自分ごと」として捉えられるようになると組織が一体化し、大きな推進力を生むことができるようになります。補助金や金融機関経由など、経営計画を策定するきっかけは様々ですが、そのきっかけを無駄にせず活用していきましょう。

社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。
また、2025128日(火)に設備投資や事業拡大に向けた補助金を活用するための無料セミナーを実施しますので、ぜひご参加ください。

 


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