コラム

目指せ売上高100億円企業!「中堅・中小大規模成長投資補助金」について中小企業診断士が分かりやすく解説

日本では2008年のリーマンショック後に団塊世代がリタイアし始め、残った現役世代がその穴を埋めきれず人手不足という状況が改善しきれないまま現在に至っています。労働供給量と需要量の推移をみると、団塊世代の引退が2017年~19年頃にはほとんど終わったため労働力供給量が需要量を上回り、コロナ禍では共に減少したものの、また供給量が需要量を上回り、今後もそのギャップは広がっていくとみられています。
そのような中でも世界経済は成長していくので、流れについていくために少ない人員で生産性を上げていく必要がありますが、以前のコラムで触れたように日本はその生産性の低さも長年の課題となっています。
今回はそのような課題を抱える中小企業向けの補助金である「中堅・中小大規模成長投資補助金」について解説します。

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目的・背景

中堅・中小大規模成長投資補助金は、冒頭に触れた日本が抱える課題を踏まえ、人手不足等の中小企業が抱える重要な課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地域の雇用を支える中堅・中小企業の持続的な賃上げと成長を促進するための補助金制度です。
2025年の詳細はまだ出ていませんが、令和6年度補正予算に係る事業として実施予定ですので、事務局の準備ができ次第、公募が開始されると思われます。

制度概要

本補助金は投資額が大きいため、対象の企業規模も中小・中堅企業に限られ、個人事業主や小規模事業者は申請不可となります。以下に概要を載せますので補助率や上限も含め確認しましょう。現状出ている情報からは、2025年も同規模の内容になるとみられます。

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大規模成長投資補助金は補助金交付後30日以内に実績報告書を提出することや、賃上げや事業報告を3年間、計4回状況報告をすることなど、責任を持った対応が求められます。
また、本補助金は金額が大きいため審査も厳しく、倍率が高い補助金です。2024年では特に2次公募の採択倍率が10倍を超え、非常に激しい競争となりましたので、申請に向けてしっかりと計画を立てて進めていくことが必要になります。

<参考:2024年の申請・採択状況>
・1次公募:有効申請件数736件 書類審査通過254件 採択件数109件(採択倍率約6.8倍)
・2次公募:有効申請件数605件 書類審査通過218件 採択件数55件(採択倍率11.0倍)

補助対象および対象外経費

大規模成長投資補助金の補助対象経費は、企業の事業拡大につながる投資を支援することを目的に、主に以下の5つの経費カテゴリーが対象とされています。
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対象外経費については、以下の主要6項目に加え、消耗品費や仲介手数料など公募要領に明記されている対象外経費についてしっかりチェックしておきましょう。
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採択のポイント

大規模成長投資補助金の特徴として、一次審査(書類審査)と二次審査(プレゼンテーション審査)があります。それぞれの審査においては、明確に審査基準が示されており、その内容に沿った書類作成や面接における回答をすることが重要です。

<審査基準>
一次、二次ともに共通する5つの審査基準が示されており、その内容に沿って書類作成、プレゼンテーションをすることが必須です。以下に内容を載せますので申請の際は事前によく確認しておきましょう。

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<プレゼンテーション審査のポイント>
二次審査(プレゼンテーション審査)では、提出された成長投資計画を用いて申請者企業の経営者自身によるプレゼンテーション及び外部有識者との質疑応答を行うこととされています。以下に主なポイントを記載します。
・プレゼンテーションは経営者・代表者が行いますが、質疑応答の補助として2名同席可能(合計3名参加可能)ですので、役割分担をしておきましょう。
金融機関の担当者が同席した場合、加点項目として評価されるため、金融機関と連携を取っておくことが重要です。(「金融機関による確認書」を提出した申請者に限る)
成長投資計画書の内容が重視されますので、独自のプレゼンテーション資料を作成するより、計画書の内容を練りこみ、自分の言葉で説明できるように事前に準備しましょう。

生産性向上と人手不足への対応は待ったなし

中堅・中小大規模成長投資補助金は、地域経済を支える中堅・中小企業の持続的な成長と賃上げを促進するための非常に重要な支援制度です。この補助金を活用することで、企業は大規模な設備投資を行い、生産性向上や雇用の安定化につなげることができます。
特に、労働生産性の向上や人手不足への対応は今後の企業経営においてますます重要なテーマであり、待ったなしに取り組むことが求められています。この補助金制度は、企業が自らの強みを活かしつつ、思い切った設備投資に取り組むための後押しをしてくれる非常に頼もしい制度ですので積極的に活用していきましょう。
また、補助金を受けることは自社が必要な資源を確保し、競争力を高めることが可能になるだけでなく、1社でも多くの中堅・中小企業が成長しリーダーシップを発揮することで、地域経済を引っ張り地域経済全体の活性化にもつながりますので、ぜひ補助金を活用し売上高100億円企業を目指しましょう。

社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。
また、2025128日(火)に設備投資や事業拡大に向けた補助金を活用するための無料セミナーを実施しますので、ぜひご参加ください。

 


<サービス:各種補助金>
助成金・補助金・給付金申請支援

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