以前のコラムで、令和6年度補正予算が決まり2025年度は事業再構築補助金が終了し新事業進出補助金が新設されたことを解説しましたが、その発表がされたことから事業再構築補助金は終了したと言われていました。しかし、今回第13回の公募が発表されたため重要なポイントについて解説します。
基本情報
公募期間:令和7年1月10日(金)~令和7年3月26日(水)18時まで(厳守)
申請受付:調整中
採択発表:令和7年6月下旬から7月上旬ころ
備考 :新規の応募申請受付は第13回公募で終了
注目すべきポイント
事業再構築補助金の概要について第12回までと比較し大きな変更はありませんが、その中でも注目すべきポイントが3つありますので注意して手続きを進めていきましょう。
①事前着手制度の廃止
事前着手制度は、事前着手届出を提出し受理された場合に、交付決定前であっても購入した経費を補助対象にできる制度ですが、第12回で原則廃止(経過措置あり)されていました。
第13回ではこの事前着手制度が完全に廃止され、交付決定前に購入・発注した経費については理由にかかわらず全額補助対象外とされましたので要注意です。
②公募枠は3種類
第12回までは5枠あった申請枠のうち「コロナ回復加速化枠(通常類型)」と「サプライチェーン強靱化枠」について今回は公募はなく、以下の3つが公募枠として設定されていますので、申請の際は要件を満たしているか公募要領を確認のうえ進めていきましょう。
〇成長分野進出枠(通常類型)
〇成長分野進出枠(GX進出類型)
〇コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
※上乗せ措置として「卒業促進上乗せ措置」と「中長期大規模賃金引上げ促進上乗せ措置」は継続
③取得財産の使用用途の厳格化
公募要領にはハイライト付きで『補助事業により取得した資産は、原則として専ら補助事業に使用される必要があります。』と書かれています。
これはどういう意味かは但し書きとして書かれています。
『「専ら補助事業に使用」とは、新たに取り組む事業として事業計画書に記載されている事業にのみ使用することを指しています。過去から行っている既存の事業や、事業計画書に記載されている事業とは異なる事業に取得財産を用いる場合には、「専ら補助事業に使用」しているとはみなすことができず、補助金の対象外として取り扱います。』
うまり、事業再構築補助金で取得した設備等については他の関連事業には使用せず、計画書に記載した事業に厳格に使用することが求められるということになります。
どのような事業者が申込すべきか
変更内容やスケジュールを踏まえ、どのような事業者様が申し込みをした方がよいか、以下に解説します。
① 過去に採択・不採択となった事業者様や既に準備を進めている事業者様
申請期間が約2カ月というスケジュールがタイトであり計画的な申請が必要であることを考えると、過去に採択・不採択になった事業者様やすでに来年度の準備をある程度進めていた事業者様は、今回のスケジュールの中で既存の計画書の内容をブラッシュアップし、計画的に申請を進めることができると考えられます。
ただし、事業再構築補助金の直近2回の採択率は約26%と、かなり低い水準となっており、今回も高い競争率が予想されることを踏まえて申請に臨むことが必要となります。
また、一から計画書の策定や認定支援機関の確認、必要書類の準備などを進めることはかなり挑戦的と言えますので、まだ事業再構築補助金に着手したことがない事業者様は早めに専門家などに相談することをオススメします。
<事業再構築補助金 採択結果を基に作成>
② 補助金下限額が後継の補助金より低いため、小回りの利く設備投資をしたい事業者様
事業再構築補助金の下限補助金額は100万円ですが、後継とされる新事業進出補助金の下限補助金額は750万円です。つまり、新事業進出補助金で申請する場合は中~大規模の投資が前提となるため、そこまで大きな設備投資は現状考えておらず小回りの利くの柔軟な投資計画も含めて考えたい事業者様は、今回の事業再構築補助金申請を検討してみてもよいと思います。
今回の事業再構築補助金については、2025年度の補助金公募を待たずにスピード感を持った設備投資を進めたい事業者様にとって嬉しい発表でしたが、申請に向けたハードルもあることは確かですので、ご自身での申請に不安がある方は専門家に相談しながら進めていくことをオススメします。
社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。
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