連日ニュースで報道されており話題となっているアメリカのトランプ大統領が打ち出した相互関税制度(通称:トランプ関税)ですが、経済産業省もこれを受け、相談窓口の設置や資金繰り支援、事業転換に向けた補助金の優先採択といった短期の支援策を発表しました。今回は日本産業の大黒柱にあたる自動車産業に対する支援策がメインとなりますが、上手に活用して環境変化に対応しつつ事業拡大を目指していきましょう。
<参考リンク:経済産業省ニュース(米国関税への緊急支援策)>
全国約1,000か所の相談窓口
支援策や色々な制度が度々発表されますが、「誰に相談すればいいのか分からない」という声をよく聞きます。そのような中、今回は全国に1,053か所という大規模な相談窓口が設置されました。
JETROや政府系金融機関に加え、地元の商工会議所や信用保証協会など、顔が見える場所で相談できるのは相談するもされる側もやりやすくスピーディーな対応が期待できるのではないかと思います。早めに相談すれば対策ができたケースは何度も見聞きしてきましたので、どうすればいいか分からないまま立ち止まるようでしたら、まずは窓口に話してみてください。
セーフティネット貸付の柔軟対応
今回の支援策は相談だけでなく、具体的な支援についても充実しています。まずは、通常「売上が5%以上減少」という数値要件が必要なセーフティネット貸付について、関税の影響を受けていれば売上減が証明できなくても適用可能とされました。セーフティネットとは、『社会的、経済的環境の変化など外的要因により、一時的に売上の減少など業況悪化を来しているが、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援』する日本政策金融公庫の制度です。
<参考リンク:日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)>
書類の準備や手続きが大変という声もあるかもしれませんが、ここは踏ん張りどころですので頑張りましょう。短期的には苦しい状態であっても、そこから盛り返していく企業を応援したいというメッセージが込められていると感じます。
ミカタプロジェクトの強化と補助金の優先採択
経産省が展開する「ミカタプロジェクト」は自動車産業における中堅・中小企業の事業転換支援事業です。自動車の電動化やカーボンニュートラル化の進展に伴い、需要が減少すると予測されるエンジンやトランスミッションなどの部品を製造する企業を対象に、新たな事業への転換を支援する施策です。
<参考リンク:経済産業省_ミカタプロジェクト>
さらに、ものづくり補助金(上限4,000万円)や新事業進出補助金(上限9,000万円)を、影響を受けた企業には優先的に採択するという方針となりました。今年度は補助金の予算も増えていますし、対象の事業者様にとってはかなり大きな支援になるのではないでしょうか。
EV部品への転換、軽量化素材への挑戦など当然リスクが伴いますが、ミカタプロジェクトから経営や各種支援策について相談を行い、自社の計画や戦略を実現するための設備投資に向けた補助金を活用するといったステップを踏んで取り組むことができますので積極的に活用していきましょう。
急激な変化にも適応して進んでいく
経営をしていると思い通りにいかないことの連続です。今回の追加関税についても、トランプ大統領は選挙中から公言していたものではありますが、予想以上に大規模な悪影響が出るほどの内容と市場は判断したのだと思われます。
今回の支援策に限らずですが、どのような状況であっても変化を恐れずチャンスに変えていく姿勢が大切です。補助金を使うか相談窓口で相談するかといったことなどはあくまで手段ですので、その手段を活用し事業拡大や自社のあるべき姿に向けて進んでいきましょう。
社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。まずはご相談からでもお気軽にお問合せください。
<サービス:各種補助金>
助成金・補助金・給付金申請支援
<関連コラム>
公募要領が公開!売上高100億円を目指す中小企業成長加速化補助金について中小企業診断士が分かりやすく解説
https://sr.platworks.jp/column/8126
新情報公開!小規模事業者持続化補助金17回について中小業診断士が分かりやすく解説
https://sr.platworks.jp/column/7937