コラム

ISO30414に基づく人的資本情報の開示

 

近年、ESGやSDGsへの関心の高まりに伴い、人事に関する情報を開示する規則としてISO30414が注目されています。

ISO30414とは、国際標準化機構(ISO)が策定した人的資本の情報開示に関するガイドラインの規格で、「内部および外部人的資本報告の指針」のことです。人的資本の情報開示について11領域49項目が定められています。

ISO30414は、以下の11領域で構成されます。

コンプライアンス及び倫理苦情や懲戒の件数・種類、コンプライアンス及び倫理研修を修了した従業員の割合など
コスト労働コスト、人件費、給与、採用費など
多様性年齢、性別、障害、経営陣の多様性など
リーダーシップリーダーに対する信頼、リーダーの育成など
組織文化エンゲージメント、従業員満足度、定着率など
組織の健全性、安全性及び福祉労働災害による時間損失、労働災害の件数など
生産性EBIT、収益、売上高、従業員当たり利益、人的資本ROIなど
採用、異動、離職求人ポジションへの採用充足に必要な期間、内部人材による充足率、離職率など
スキル及び能力人材開発・研修のコストなど
10後継者に関する計画後継者の準備率など
11労働力の利用可能性フルタイム換算の従業員数、臨時の労働力、欠勤率など

ISO30414に沿って適正に情報開示を行うことで、取引企業や投資家が開示企業の人的資本を定量的に把握することが可能となります。企業経営に必要な「ヒト・モノ・カネ」の内、「モノ」は、これまでも決算書等から把握することができていましたが、これに加えて、「ヒト」の把握も可能になります。これにより、投資家や取引企業の信頼を得ることで、資金調達の円滑化や経営の安定などのメリットが生じます。

また、資金調達などの外的なメリットに加え、組織内部のメリットも存在します。会社の経営方針やヴィジョンが明確になることで社員に具体的な目標を提示することができ、また、それに基づく人事制度の透明性を担保することができます。これによって従業員のエンゲージメントが向上し、組織力の向上を図ることができます。

ISO30414に基づく情報開示は、上場企業で注目されていますが、中小企業もこれを行うメリットがあり、前述のような資金調達のメリットや、海外展開を目指す企業にとっては、海外企業との取引においても有用です。

ISO30414では、人的資本の測定基準について、「インプット」「活動」「アウトプット」の三つの局面に分けて定義しています。「インプット」には、労働コストなど人的資本への投資を含み、「活動」には、組織文化に関する情報など、人的資源管理の主要な活動が含まれます。「アウトプット」には、人的資本に対する投資対効果が含まれます。これらの各段階について、様々な要素から定量的な数値を導き出します。

ISO30414に沿って適切に情報開示を行う場合、人事労務に関する知見に加え、経営の視点など多角的な検討が必要となります。

プラットワークスでは、豊富なコンサルティングの経験を活かした、ISO30414の導入コンサルティングとその監査を行っています。

詳細は、「サービス」→「ISO30414導入支援」をご覧ください。

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