最大50億円!3次公募が発表された中堅・中小成長投資補助金について中小企業診断士が分かりやすく解説

補助金というと様々な規模の企業を対象に幅広く支援をする制度のイメージですが、今回の「中堅・中小大規模成長投資補助金」は中堅・中小企業向けの比較的大きな金額が魅力の補助金です。1次公募が昨年4月、2次公募が昨年8月に終了していましたが、今回待望の3次公募の情報が公開されました。
金額が大きいことによる特徴や他の補助金と異なる点も色々ありますので、採択に向けたポイントを含め順にみていきましょう。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金第3次公募について

中堅・中小大規模成長投資補助金とは

中堅・中小大規模成長投資補助金とは、『中堅・中小企業が、 持続的な賃上げを目的として、足元の人手不足に対応した省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助を行う。』制度になります。
つまり、政府としては中堅・中小企業がもっと効率よく働けるようにサポートして国全体の生産性を上げたいと考えており、それにより企業が事業拡大を進め、従業員の賃上げを安定的に続けられるようにする好循環を生み出したいのです。
中堅・中小企業が事業拡大して地域を引っ張るリーダーになることで、それに続く小規模企業や個人事業主も活性化するだけでなく雇用促進にも広げることができるので、このような規模の大きな企業の役割は自社だけでなく地域にとっても非常に重要です。

制度概要とスケジュール

中堅・中小大規模成長投資補助金の大きな特徴として、金額の大きさに加え補助対象経費に「建物費」が含まれていることが挙げられます。
これは、労働生産性の向上や賃上げを安定的に行うためには、工場や新しい拠点の新設や増築をして事業拡大をすることで生産能力や業務効率を上げていく必要があるためです。
この補助金は一定の実績がある事業者様が多いと思われますので、政府としても工場や新拠点のような大きな投資を計画的に行い、成長に繋げることができるだろうという期待がこめられていると考えられます。
経済産業省、中小企業庁、助成金、人材不足、シナジー、中堅・中小成長投資補助金、大規模成長投資補助金、ものづくり補助金、補助金、事業拡大、M&A、設備投資、生産性、人手不足、中小企業成長加速化補助金、成長、加速、売上高100億円を目指す宣言、省力化、中小企業省力化補助金、クラウド、システム、セキュリティ、中小企業、事業拡大、中小企業診断士、社会保険労務士

また、今回の内容の中で特に大きなポイントは賃上げ要件です。
ここでは2次公募の賃上げ要件の文言と内容を比較して見てみます。
● 2次公募:補助事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率(基準率)以上であることが必要
● 3次公募:全国の過去4年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上であることが必要

2次公募では地域差に配慮した要件設定がされていたと考えられますが、3次公募では全国基準が採用されました。
昨年10月に全国的に最低賃金が引き上げられ、政府としても今後さらに地域格差を少なくし継続的な賃上げに繋げていきたい考えから、全国基準での年平均成長率を採用したのだと思われます。

全国平均は51円増の1,055円に、16都道府県が1,000円を超える ~2024年度の地域別最低賃金改定~

 <スケジュール>
現在公開されているスケジュールは以下の通りです。
他の補助金と同様に、締め切り間際では応募が殺到しますので早めの提出に向けた手続きを進めていきましょう。
3月上旬ころ :3次公募 開始
4月下旬ころ :3次公募 締切予定
6月上中旬ころ:プレゼンテーション審査
6月下旬ころ :採択発表

審査基準

審査は主に以下の5つの項目で定量的・定性的に審査されます。
なお、この補助金は金額の大きさの魅力から非常に人気が高く、今回も高い倍率が予想されています。
補助金額が大きく申請者が多いからこそ審査基準を明確にし、その基準に沿って計画を策定しているか厳格に判断しているのですが、事業者様にとっても基準が明確なので準備しやすくなるメリットがあると前向きに捉え、内容をしっかり読み込んで進めていきましょう。
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プレゼンテーション審査については、どのような質問項目か公開はされていませんが、補助事業内容や事業計画書、審査項目に沿った内容の質問が想定されます。また、それ以外にも補助事業や今後の経済環境のトレンドを踏まえた自社のビジョンを明確にし、自分の言葉で話せるようにしておくことをおススメします。
なお、金融機関による確認書の提出した場合と当該金融機関の担当者がプレゼン審査に同席した場合は加点されますので、金融機関の方とは良い関係を作っておいて協力をお願いできるようにしておきましょう。

<参考:過去の申請・採択状況>
1次公募:申請件数736件 採択件数109件(採択倍率約6.8倍)
2次公募:申請件数601件 採択件数85件(採択倍率 約7.1倍)

補助金活用で地域のリーダー企業を増やす

中堅・中小大規模成長投資補助金は、地域のリーダーまたはリーダーとなりうる企業が持続的な事業拡大と従業員へ還元をするために必要な設備投資や建物等の建設をサポートする重要な取り組みです。
企業が新しい工場や施設をつくり、それをうまく活用できる人材や体制を整備することで、自社だけでなく周りの企業をけん引し、地域経済を盛り上げていくようなリーダー企業がどんどん増えていきます。地域のリーダー企業が1社でも多く出てくる仕組みづくりの積み重ねが日本全体の経済活性化にもつながる形になりますので、出遅れる前に取り組んでいきましょう。
社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。まずはご相談からでもお気軽にお問合せください。

 

<サービス:各種補助金>
助成金・補助金・給付金申請支援


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