コラム

人権デューデリジェンスを活用した政府調達の優遇制度について

9月13日、政府は、サプライチェーン上から人権侵害をなくすための取組を行っている企業に対して、政府が行う公共工事や物品の政府調達で、取組に応じて入札評価点数を引上げるなど、優遇する仕組みを検討することを示しました。この取組には、人権方針を策定した上で、自社や取引先で生じている、または生じそうな人権侵害を特定し、予防・対処する「人権デューデリジェンス」(人権DD)を行い、その評価を求めることなどが盛り込まれる予定です。

児童労働や強制労働、ハラスメントなどといった企業における人権問題は、企業のイメージダウンにつながるだけでなく、株価の下落や訴訟の可能性など、様々なリスクを伴います。そのため、人権DDを実施して、人権侵害のリスクを把握して未然に防止することが重要です。

人権DD実施のポイントは、サプライチェーン全体の問題として捉えることです。例えば、海外の企業と取引している企業や、海外の工場で製造を行っている企業は、現地で強制労働や児童労働がないかということまでチェックすることが求められます。

一方、国内においても、下請け企業等で技能実習生を使用している場合、技能実習の実施に関して、労働基準法や職業安定法をはじめとする労働関係法令について違反がないようにすることが求められます。

ゼネコンをはじめとする建設業の企業などは、技能実習生を活用している下請け企業の状況を把握することが求められますので、この機会に、ぜひ人権DDを検討してみましょう。

プラットワークスでは、海外視察や下請け、孫請けを含めた人権状況の分析・評価を支援いたします。

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