コロナ禍やIT化の進展といった社会状況の変化により、在宅勤務やリモートワークなどの多様な働き方をする労働者が増えてきています。
それに伴い、既存の労働法制の見直しが必要になっています。
こうした中、厚生労働者はフレックスタイム制見直しに向けた検討を始めました。
そもそもフレックスタイム制とは、総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻や労働時間を自主的に決定することができる制度です。
フレックスタイム制は、就業規則に始業・終業時刻を従業員の自主的な決定に委ねる旨を規定し、清算期間等について労使協定を締結することで導入でき、柔軟な働き方が可能になります。
しかし、現在のフレックスタイム制では、フレックスタイムを適用する日としない日を混在させることはできない状況です。
そこで、労働者の多様なニーズにさらに柔軟に対応するために、テレワークで働く日に限り1日単位でフレックスタイムを適用できる制度を検討しています。
厚生労働省の労働関係法制研究会の検討資料(※1)によれば、現在のフレックスタイム制における「コアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯として労使で決定した時間帯)」に加え、特定の日について始業・就業時刻を使用者が決定できる「コアデイ」を設けることで、1日単位でのフレックスタイム制導入が可能になるとしています。
これによって、例えば育児や介護の都合に応じて、テレワーク日に始業時刻の繰上げ・繰下げや中抜けなどができるようになります。
なお、テレワーク日におけるフレックスタイム制導入の検討過程においては、フレックスタイム制ではなく「みなし労働時間制」を適用するとの案もありましたが、長時間労働のリスクや労働時間の実態把握が難しいといった懸念から中長期的な検討が必要とされています。
現在、約75%の企業がテレワークを導入していると言われています。今回の見直しにより、労働者がさらに働きやすい環境を構築することができるようになり、従業員のウェルビーイングにつながります。
一方で、フレックスタイム制は制度設計や給与計算が複雑になるため、企業側の理解も求められます。
プラットワークスでは、制度運用や給与計算がしやすいフレックスタイム制導入のご支援が可能です。
フレックスタイム制は、うまく導入・運用ができれば、従業員の生産性向上が期待できます。
フレックスタイム制見直しに合わせて新たな制度構築などを検討されている方は、ぜひプラットワークスへご相談ください。
※1 労働基準関係法制研究会(2024年11月12日開催 第4回) 「議論のたたき台」