連日補助金関連の情報が公開されてきていますが、今回は小規模事業者持続化補助金(以下、「小規模補助金」と呼びます)の第17回公募について新たに情報が公開されました。4月25日にウェブサイトのリニューアルと合わせ、正式版となる第2版が発表されました。正式版には補助事業の開始時期の修正や、細かな点の変更がありますので、改めて内容をおさらいしつつ申請に向けた準備を進めていきましょう。
小規模事業者持続化補助金<一般型_通常枠>_特設ウェブサイト
小規模事業者持続化補助金<一般型_通常枠>_公募要領(第2版)
概要とスケジュール
小規模補助金は、個人事業主から中小企業まで幅広く活用することができる毎年人気の補助金です。補助金受領後の事業報告も不要のため、比較的ハードルが低く初めて補助金申請に挑戦する方にもおすすめできる制度です。とはいえ、全額補助されるわけではないので、事業の資金計画や対象経費などを確認し、自社に合う内容の申請をしていきましょう。
スケジュールは以下の通りです。申請受付は2025年5月1日から開始され、申請締切は6月13日(金)17時までとなります。重要なポイントとして、小規模補助金の場合は商工会・商工会議所による「事業支援計画書(様式4)」の発行を依頼する必要があり、この締切は6月3日(月)となりますのでご注意ください。
公募要領公開:2025年3月4日(火)
申請受付開始:2025年5月1日(木)
申請受付締切:2025年6月13日(金)17:00
(事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 2025年6月3日(火))
暫定版公募要領からの主な変更点
暫定版の公募要領から約2カ月弱経過しての正式版の公開となりましたが、主な変更点を押さえておきましょう。基本的な補助金額や補助率などの構成に変更はありませんが、押さえておきたいポイントをご紹介します。
① 補助事業スケジュールの見直し
補助事業期間が8月から9月に1カ月後ろ倒しになりました。理由について明記されていませんが、毎年人気の補助金でもあり、事務局や商工会・商工会議所の事務負担を考慮して余裕を持ったスケジュールにしたのではないかと思います。
正式版:2025年9月~事業実施期限:2026年7月31日までの期間
暫定版:2025年8月頃~事業実施期限:2026年7月31日までの期間
② 対象経費と対象外経費の具体例を追加
各経費の対象経費と対象外経費について、具体例の記載が追加されました。特にウェブサイト関連費については大幅に追加されていますので要チェックです。ウェブサイト関連費は作業内容や効果が見えづらく、それだけ事務局としても判断が難しいと思われるため、より具体的に明記するようにしたのだと考えられます。
<参考:公募要領 ウェブサイト関連費の暫定版と正式版の比較>
③ 賃上げ特例適用に対する必要書類の修正
賃上げ特例の必要書類として、従来は賃金台帳の写しや雇用契約書、労働条件通知書、就業規則が記載されていましたが、就業規則の記載がなくなりました。実務上、就業規則には賃上げをしたか確認できる情報が記載されていないことが多く、提出を求めてもあまり意味がないと事務局で判断したのではないかと思われます。審査や資料提出について、お互いの無駄を省きスムーズな手続きに繋げていきましょう。
ガイドブックと参考資料も公開
正式版公募要領の公開と合わせ、ガイドブックと参考資料も公開されました。こちらも重要な資料になりますので、合わせてチェックしておきましょう。
➢ガイドブックとは
ガイドブックとは、小規模補助金に申請する際の手続きや流れを事業者様向けにわかりやすくまとめた資料になります。補助金の概要や対象者、補助対象経費、特例制度などの内容に加えて、申請から補助金交付までの主な流れを分かりやすく解説しています。特に初めて補助金申請に挑戦する事業者様にとっては、公募要領を細かく読み込む前に全体像をつかみ、詳細について公募要領を確認する、といった使い方ができます。
小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>_ガイドブック
➢参考資料とは
参考資料とは、申請者が誤解しやすいポイントや判断に迷いやすい事項を補足・解説するために作成されたガイド的な資料になります。例えば、「業種区分の考え方」「常時使用する従業員数の定義」「販路開拓や業務効率化の取組例」など、申請書を作成する時に判断に迷うようなことが記載されています。まさに「参考」の資料にはなりますが、文言として明記されている以上、参考で終わらせずきっちり押さえておく必要がありますので、こちらも事前によく確認をしておきましょう。
小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>_参考資料
事業拡大と販路開拓の第一歩を踏み出す
小規模補助金は個人事業主や中小企業の皆さまにとって、事業を始めたばかりであっても事業拡大や販路開拓に非常に役に立つ制度です。今年度も多くの事業者様の申請・活用が見込まれていますので、今まで申請したことがない方もぜひ申請を検討してみてください。
公募要領の内容をみると細かいところが明確化・具体化されており、審査については昨年以上に厳格化されることが予想されます。とはいえ、審査する人も人間ですので公募要領を始め各種資料を熟読し、抜け漏れの無い事業計画書の作成や速やかな書類提出をすることでスムーズな採択に繋げましょう。
社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。まずはご相談からでもお気軽にお問合せください。
<サービス:各種補助金>
助成金・補助金・給付金申請支援
<関連コラム>
新情報公開!小規模事業者持続化補助金17回について中小業診断士が分かりやすく解説
https://sr.platworks.jp/column/7937
事業再構築補助金の後継が登場!新事業進出補助金から見えてくる未来を中小企業診断士が分かりやすく解説
https://sr.platworks.jp/column/6600