「Z世代」をやる気にさせるには?~若手を取り巻く時代背景と企業にできること~

少子高齢化で労働人口が減少する現代において、Z世代をはじめとした若手社員はこれから職場の主力となる世代です。彼らが生き生きと働ける職場づくりは今後ますます重要となってきています。一方若手は「働かない」「やる気がない」といった管理職世代を中心とした若手社員に対する批判的な声もあります。このような考えは本当なのでしょうか。
2026年卒の新社会人・2025年卒の社会人に対して行った新生活に関する実態調査によると、社会人生活に期待することとして6割以上の若手世代が「心身を壊さずに長く働ける環境であること」や「仕事とプライベートを無理なく両立できる働き方ができること」を希望しているとわかりました。

※僕と私と株式会社「新生活に関する実態調査」より

その一方、ハラスメント対策やコンプライアンスの遵守が厳しくなっている昨今において、残業規制がしっかりしており、叱らない指導をするいわゆるホワイトな環境の職場でも「ホワイトすぎて若手が辞めてしまう」問題が生じています。
実際にリクルート社の新入社員意識調査2025)においても新入社員が就職先を選ぶうえで重視していたものの上位に仕事内容が魅力的・やりがいがある、自分が成長できるといった項目もあがり、若手社員は必ずしもホワイトな職場環境だけを望んでいるわけではないことが伺えます。
このような若手社員の理想と現実においてギャップが生じているのは、どういった背景があるのでしょうか。若手世代が生まれ育った時代背景を紐解きながら、現代の労働環境に応じた若手社員が生き生きと働くことができる職場づくりのために企業としてできることを解説していきます。

Z世代・若手社員の働き方に対する意識傾向

主に1990年代後半から2010年初頭に生まれた世代である、Z世代をはじめとした若手社員はどのような時代背景で生まれ育ったのでしょうか。
この世代はインターネットやスマートフォンが当たり前の環境で育ったデジタルネイティブであるため、オンラインを活用したコミュニケーションに慣れており、新しいテクノロジーへの適応力が高いといわれています。また、2019年からの働き方改革の推進とともに残業規制やハラスメント対策の厳格化が進んだことで、ワークライフバランスのとれた柔軟な働き方は当たり前に重要なものとして認識している傾向にあります。その一方、SNSを通じ自身の考えを発信する機会が身近であることから、一つの職場に働き続けることに固執せず、転職や副業も視野に入れた自己成長ややりがいなどの内発的動機付けを満たせる働き方を理想としているのが特徴といわれています。

項目

X世代
(1965-1980年頃生)

Y世代
(1981-1996年頃生)

Z世代
(1997-2012年頃生)

社会背景

・高度経済成長
・バブル
・就職氷河期

・IT革命
・失われた20年
・SNS

・スマホネイティブ
・コロナ禍
・SDGs

仕事のスタンス

・会社への忠誠
・ハードワーク

・私生活と仕事の調和

・仕事を通じた自己実現
・社会貢献

重視点

・昇進、昇給、役職

・柔軟な働き方
・良好な人間関係

・タイパ
・心理的安全性

キャリア

・同じ企業で長く勤務

・転職はスキルアップ手段

・複数のキャリア(副業)
・個の市場価値

若手社員が直面しやすい問題

コンプライアンスやハラスメント対策に厳しい現代において、企業は若手社員に対して「厳しく指導してはいけない」「残業をさせてはいけない」といった「優しく手厚い」アプローチで育成を行うことが珍しくありません。しかし、「ホワイトハラスメント」という言葉が話題となっているように残業規制が厳しく、福利厚生が充実している「ホワイトすぎる職場」であるからこそ、成長実感が持てず物足りなさを感じたりして、離職してしまう若手社員もいます。
また、そのような「優しく手厚い」アプローチを受け続けることで、若手社員は失敗経験を踏むことによる成長機会が奪われ、想定外のトラブルが発生した際への耐性が低くなってしまうことで、メンタルヘルス不調に陥ってしまうなどの問題も生じる可能性があります。

変化の要因

以前のストレス

現代のストレス

労働量

長時間労働による肉体疲労

密度の濃い成果へのプレッシャー

人間関係

厳しい叱責(パワハラ)

放置・過度な配慮による孤独(孤立)

将来像

会社に任せれば安泰

自分で選び続けなければならない不安

情報量

社内の情報のみ

SNS等による膨大、容易に他者比較できる

若手社員も活躍できる職場づくり

このように「厳しすぎるアプローチ」だけでなく、「優しすぎるアプローチ」も若手社員にとってメンタルを不安定にさせる可能性があることから、「心理的安全性の高める」サポートと「適度な負荷を与える」サポートのバランスが重要であるといえます。そして、AIの台頭により様々な業務がAIに代替されることで、一人一人が働く意義について考えざるをえない時代がきています。そのような時代の流れを踏まえて、自分らしさを発揮できることや自己成長できる環境を望んでいる若手社員にとっては、単に若手社員に寄り添い歩み寄るのではなく、ルールの範囲内で自分のできることを増やし、難しい業務にも安心してチャレンジできる機会提供、そして本人にとって納得感のある評価制度の運用が重要です。主に必要な対応としては以下があげられます。

①柔軟な働き方のできる環境整備
…プライベートと仕事のバランスが取れた職場は若手社員にとって特に重要な要素になります。フレックスタイム制や時短勤務、週休三日制などの多様な働き方ができる選択を提供するとよいでしょう。若手に限らず出産・育児・介護・通院といった様々な事情をもつ従業員にとっても働き続けやすい環境になります。

②心理的安全性の高い職場づくりとメンタルヘルス対策
…特に若手社員は勤務年数も浅く、職場環境に慣れていないため、社内コミュニケーションがとりづらく孤立感を抱えやすい立場になりやすいです。そのため、日頃より気軽に同僚や上司に困りごとを相談できる心理的安全性の高い職場づくりが重要です。そのためにも、メンター制度の導入や、社内外に相談窓口を設ける等の、メンタルヘルス面での支援も効果的です。

③成長実感を得られる人事評価制度
…単に働きやすい環境整備や心理的安全性の高い職場づくりのみでは、若手社員にとって物足りなさや自身の存在意義を感じられず、離職につながってしまうことがあります。そのため、従業員の価値貢献や成長段階を適切に捉えられる人事制度設計と運用が重要です。その方法として、「役割の拡大と深化」が重要です。複数の役割を担いキャリアの幅をもたせること(拡大)と同じ業務でも安定したクオリティでこなせるようになること(深化)は、長期目線で従業員にとってのキャリア上の価値をつくります。このような複数の役割を担う機会と深化するチャンスを会社が提供することで、若手社員は自身のキャリアにおける新たな可能性に気づき、成長実感を得ることができます。このようにして、組織力を高めながらも個人が成長実感を得られるキャリアを築いていくことができます。(役割貢献制度については過去コラム参照)

このようなハラスメントやコンプライアンスといった法律上のルールを守った範囲内で、若手に挑戦機会を与える環境整備は、そのバランスが難しく、労働関連法や労務管理に精通した専門家のアドバイスを求めることが大切です。

プラットワークスは、「やりがい」や「自己成長」といった働くことの精神的価値が人生の豊かさに大きく影響すると考えており、その働くことによる楽しさを、個別事情を理由としてあきらめることなくすべての人が感じられるような組織づくりを仕事としております。このような考えのもと、事業主の事業特性や組織風土に合った運用しやすい制度構築の支援を行っておりますので、ぜひご活用ください。
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関連サービス

人事アドバイザリー

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関連サービス

企業向けオンラインカウンセリングサービスPlattalks

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「宿日直許可」とは?
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