コラム

「技能実習」から「育成就労」へ

20231130日に、政府の有識者会議が、技能実習制度を見直し、新たに「育成就労制度」を創設するとした最終報告書をまとめました。

これまでの技能実習制度は、日本の企業と雇用契約を締結し、働きながら技能等の習得・習熟を図るもので、期間は最長5年でした。しかし、劣悪な労働環境であるなど、実習生に対する人権侵害が問題となっていました。

こうした問題への対応も踏まえ、今回の見直しに至ったとみられています。

今回は、この「育成就労制度」の概要と、求められる事業主側の対応について解説していきます。

育成就労制度とは

育成就労制度とは、外国人労働者を受け入れ、3年間で専門性の向上や技能習得に向けて育成し、育成期間後、技能及び日本語の試験に合格すれば、特定技能への移行が可能となる制度です。

また、これまでは原則認められていなかった別の企業への転籍も、1年以上働いた上で、一定の技能及び日本語能力を身に付けていれば同じ分野で可能になるほか、実習生の来日に要する費用や技能実習に要する費用を日本の受け入れ企業も一部負担する制度が導入されます。

 

育成就労制度の創設に当たっては、「外国人の人権保護」「外国人のキャリアップ」「安全安心・共生社会」の三点に重点を置くこととされています。

外国人の人権保護の観点では、従来の技能実習制度よりも転職が容易になることにより、職業選択の自由に資することとなります。

また、従来の制度では、技能実習を仲介する機関が実習生の管理を行っていましたが、新制度では、受け入れ企業が受け入れに要する費用を負担し、育成の計画等も策定・実施していくことになります。

そのため、実習生のキャリア形成に実習生自身の意思が反映され、実習生個人が主体的にキャリアを決定できることになり、幸福追求権等にも資することが期待されます。

 

育成就労制度開始に伴う事業主側の対応

1. 受け入れに当たっての労務体制の整備

外国人実習生を採用するに当たり、通常の労務手続きに加え、技能実習生の受け入れや外国人採用のための特別の手続きが必要になります。

さらに、定期の状況報告なども必要となります。こうした諸手続きを遅滞なく行うための労務管理体制を整備する必要があるでしょう。

また、事業主は、通常の労働者と異なる労働条件で実習生を採用する場合が多いですが、新制度では実習生の転職が容易になるため、事業主は転職されないような条件を設定する必要があります。

これには、劣悪な労働条件で実習生を働かせる企業を排除する狙いがあると考えられます。

2. キャリアパスの設定

事業主は、各実習生の希望に応じて、キャリアパスを作ることが望ましいです。

実習生がどのような技能を習得したいかの希望を確認し、各人の希望に応じてキャリアパスに当てはめます。

そして、次の育成計画と組み合わせて、適切な教育を施していきます。

3. 育成体制の整備

育成就労制度では、特定技能への移行に向けての育成を行う必要があります。

そのため、事業主は、継続的・段階的な育成計画を策定・実施します。

特定技能への移行の際には、技能試験に加え日本語試験も課されるため、業務の中で日本語の教育もしていくことが望ましいと考えられます。

 

 

プラットワークスは、労働者の育成計画やキャリアパスの策定の豊富な経験を有しています。

また、実習生の受け入れのためのビザ取得や付随する手続きもグループ会社のプラットワークス行政書士事務所でご対応が可能です。

ビザ取得からその他の手続き、その後の育成計画やキャリアパスの策定、実習生受け入れに係る労務相談、労務条件の設定のご相談など、一括してサポートすることが可能です。

 

国際化が進展し、日本に訪れる外国人が増加する中で、外国語も話せる実習生を受け入れることは有益です。

しかし、準備なしに受け入れることは難しいため、将来的な実習生の受け入れに向けて準備をしておきましょう。

 

 

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