変更点に注目!ものづくり補助金20次公募について中小企業診断士が分かりやすく解説

中小企業にとって制度や環境の変化に対応するスピードがますます重要になってくる中、ものづくり補助金は将来の事業拡大を見据え、『生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う』ことを後押ししてくれる魅力的な補助金です。
そんな人気のものづくり補助金ですが、今年度は4月25日に19次公募が締め切りとなり、続いて20次公募が既に始まっています。公募要領も既に公開されていますが、5月だけで2回の追記・更新が行われていますので内容をおさらいしつつ、詳細を見ていきましょう。

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20次公募の概要とスケジュール

基本的な補助上限や補助率、補助対象経費などに変更はありません。ものづくり補助金では「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの申請枠がありますので、自社の取り組みに合う申請先を選んで申請を行う必要があります。
経済産業省、中小企業庁、助成金、業務改善助成金、100億宣言、100億、売上高100億円、100億円、人材不足、シナジー、小規模事業者持続化補助金、インボイス、賃上げ、IT導入補助金、IT補助金、IT、中堅・中小成長投資補助金、新事業進出補助金、大規模成長投資補助金、ものづくり補助金、補助金、事業拡大、M&A、事業承継、M&A、事業承継・M&A補助金、設備投資、生産性、人手不足、中小企業成長加速化補助金、成長、加速、売上高100億円を目指す宣言、省力化、中小企業省力化補助金、クラウド、システム、セキュリティ、中小企業、事業拡大、中小企業診断士、社会保険労務士

スケジュールは以下の通りです。
19次公募では受付開始から応募締切まで約2週間しかありませんでしたが、20次公募では3週間以上の期間が設けられ、少し余裕をもって手続きを進めることができるようになりました。とはいえ、毎回締め切り間際では応募が殺到し審査に時間がかかっていますので、受付が開始されたら早めに手続きをすることをオススメします。
受付期間:2025年4月25日(金)〜7月25日(金)
申請開始:7月1日(火) 17時
申請締切:7月25日(金) 17時厳守
採択発表:10月下旬予定

改訂内容の注目ポイント

冒頭に触れたように、20次公募要領ではいくつかの追記・変更が行われています。加点や補助対象外についての重要な更新もありますので、整理していきます。

① 成長加速マッチングの加点項目の厳格化
20次公募では、「成長加速マッチングサービス」を利用した場合の加点に関し、注記内容が追記されています。「成長加速マッチングサービス」とは、中小企業庁が運営するマッチングプラットフォームのことで、事業拡大や新規事業立ち上げなど成長志向を持つ中小企業や事業者が、金融機関・投資機関・認定支援機関などの支援者とつながることを目的としているものです。
ここでは、今回追記された注記文言の意図や背景を押さえておきましょう。

追記文言:登録されている課題のステータスが「掲載中」となっている課題を確認できた場合のみ加点します。

おそらく、事務局側の登録確認の手間を効率化することや、19次公募では加点狙いの形式な登録が多かったためその対策をした等の狙いがあると考えられます。加点狙いで登録するにしても、単なる形式的な利用にならないようにすることが重要です。

② 補助対象外となる事業者の拡大
補助対象外となる事業者の内容については大幅に内容が追記されました。まずはその内容を見てみます。

<記載内容の比較>
19次公募:申請締切日を起点にして、過去14か月以内に本補助金の補助金交付候補者として採択された事業者、又は申請締切日時点において本補助金の交付決定を受けて補助事業実施中の事業者。
20次公募:本補助金の申請締切日を起点にして16ヶ月以内に以下の補助金の補助金交付候補者として採択された事業者(採択を辞退した事業者を除く)、又は申請締切日時点において以下の補助金の交付決定を受けて補助事業実施中の事業者。
・中小企業新事業進出促進補助金
・中小企業等事業再構築促進補助金
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
なお、複数の補助金に同時期に応募申請していただくことは可能ですが、複数の補助金に採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して、交付申請を行ってください。選択せずに、複数の補助金で交付決定を受け、補助金を受領していたことが発覚した場合は、交付決定日が遅い方の補助事業の交付決定を取り消し、補助金の返還を求めます。

かなり内容が変更されていることが分かると思います。期間の変更については、おそらく今年度の補助金スケジュール自体が後ろ倒しになったこと等を受け、元の期間を基準に対象範囲を広げたのだと考えられます。
また、20次公募では他の補助金との併用・重複に対して対策が強化されたことも特徴の一つです。「中小企業新事業進出促進補助金」「中小企業等事業再構築促進補助金」は補助金額も大きく、設備投資に関するものであることから対象経費が重複する可能性が高く、同時採択によるトラブル回避のために明確化したのだと考えられます。

ものづくり補助金全国説明会

19次公募の際にも初めて申請を検討されている事業者様向けにウェブ説明会が開催されましたが、20次公募も同様に説明会が開催されます。
説明会の参加、不参加は採択とは関係ありませんが、事務局に質問もできますので申請を考えている方は参加することをオススメします。

ものづくり補助金全国説明会チラシ


日時:2025年6月5日(木)15時~16時
対象:ものづくり補助金にご応募を検討している事業者
開催方法:オンライン(zoomウェビナー)
参加方法:指定のURLよりお申し込みください。https://forms.gle/QP6WSK8JVqC9sGP4A
申込み期限:2025年6月3日正午(厳守)
定員:500名

支援ツールをフル活用して採択を勝ち取る

20次公募では大きな制度変更はありませんでしたが、運用ルールがより厳格に、かつ明確に整理された印象を受けます。国としても形だけの支援ではなく、事業拡大のための設備投資を本気で考えている事業者様を集中して支援したいという想いの表れです。ものづくり補助金は補助額も大きく毎年人気の制度でもありますし、設備投資を強く後押ししてくれる制度である一方で、内容をよく理解せずに申請すると不採択や補助金返還リスクもありトラブルに繫がります。公募要領や公開されている資料をしっかり読み込み、早めの準備を進めることがスムーズな採択に繫がります。
説明会や様々なツールなど、申請に向けた支援は充実していますのでフルに活用して漏れの無い手続きを進めていきましょう。

社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。まずはご相談からでもお気軽にお問合せください。

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