19次公募要領が公開!ものづくり補助金2025について中小企業診断士が分かりやすく解説

毎年人気のものづくり補助金ですが、2025年2月14日(金)に19次公募要領と申請スケジュールが公開されました。予算枠が令和6年度補正予算となり、前回までとの変更点も出てきていますので押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

ものづくり補助金総合サイト 公募要領

ものづくり補助金の目的とスケジュール

ものづくり補助金は、革新的な製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資・システム構築を支援する目的として、経済産業省中小企業庁が進める「生産性革命推進事業」の一環として提供されている補助金制度です。これまでの基本的な制度概要については過去のコラムで触れていますので、そちらも参考にしてください。

「ものづくり補助金」とは何か?① 初めて申請を考えている経営者様へ中小企業診断士がわかりやすく解説

「ものづくり補助金」とは何か?② 審査を有利にする加点について中小企業診断士がわかりやすく解説

2025年度のスケジュールは以下のようになっています。
申請期間が2週間と短いので、今からしっかり準備して申請受付が開始されたら早めに申請できるように進めましょう。
公募期間:2025年2月14日(金)~4月25日(金)17時
申請期間:2025年4月11日(金)17時 ~4月25日(金)17時
採択発表:2025年7月下旬ころ

19次公募要領の概要

2025年度は技術革新メインの「製品・サービス高付加価値枠」と海外事業メインの「グローバル枠」の2枠となります。大幅な賃上げを行うと最大4,000万円の補助が受けられ、対象経費も幅広く使いやすい制度になっています。
ただ、単価50万円(税抜)以上の機械装置費を購入することが必須要件となりますので注意しましょう。
経済産業省、中小企業庁、助成金、人材不足、ものづくり補助金、補助金、事業拡大、設備投資、生産性、人手不足、中小企業省力化投資補助金、省力化、オーダーメイド、製品・サービス高付加価値枠、省力化オーダーメイド枠、グローバル枠、クラウド、システム、セキュリティ、中小企業、事業拡大、中小企業診断士、社会保険労務士

2024年度に設定されていた「省力化オーダーメイド枠」は中小企業省力化投資補助金(一般枠)に移行しました。そちらのコラムも書いていますので気になる方はご覧ください。

ほぼものづくり補助金!?新設された中小企業省力化投資補助金(一般型)について中小企業診断士が分かりやすく解説

主な変更点と重要ポイント

ものづくり補助金は時代の変化とともに少しずつ支援の形を変えてきました。今回も予算枠の変更に合わせ、不当な請求に対する厳罰化や、これまで煩雑と思われていた点を簡素化するなど、申請する事業者目線での変更が行われましたので主なポイントを解説します。

① 従業員21人以上の事業者について「一般事業主行動計画」の公表が義務化
一般事業主行動計画とは、『企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるもの(厚生労働省HPより一部抜粋)』です。
企業の社会的責任の高まりや働き方改革の推進など、国としても労働環境の改善を進めていきたい考えがあり、新たに設定されたのだと思います。

② 類似申請の罰則について厳罰化
これまでも類似申請についての罰則はありましたが、今回より類似申請を2回以上行った場合の罰則が厳罰化されています。事業計画書などを作成する際、ある程度は型があるのは当然ですが、明らかに真似をしているようなものは分かりますし、計画を作る本来の意味がなくなってしまうので避けましょう。
昨年まで:1回目は次回公募の申請不可。2回目以降は次回と次々回について申請不可
今年から:1回目は次回公募の申請不可。2回目以降は次回以降、4回分の申請不可

③ 事業実施期間が長く設定
2024年度は交付決定日から2024年12月10日までとされ、補助事業実施期間が短いと言われていましたが、2025年度は「製品・サービス高付加価値枠」が10カ月、「グローバル枠」は12カ月と長くなりました。
おそらく採択を受けても補助事業実施期間に実施できずに減額または取り下げをしたケースが多く、事業者からの不満が多かったのではないかと思われます。

また、今回注目したい重要なポイントとして審査項目の変更が挙げられます。
ここでは18次公募要領との比較を表にしたので、違いを見てみましょう。
経済産業省、中小企業庁、助成金、人材不足、ものづくり補助金、補助金、事業拡大、設備投資、生産性、人手不足、中小企業省力化投資補助金、省力化、オーダーメイド、製品・サービス高付加価値枠、省力化オーダーメイド枠、グローバル枠、クラウド、システム、セキュリティ、中小企業、事業拡大、中小企業診断士、社会保険労務士

このように、これまでは多くの観点を基に総合的に判断をしていましたが、技術そのものにやや重点を置いた審査となっており偏りが見られていました。それを今回「経営力」「事業化」「実現可能性」に変更し、単に革新的な技術を生み出すだけでなく、それをどのように顧客や市場に提供し事業拡大していくか、ということを明確化しました。

例えば、18次公募の「事業化面」と19次公募の「事業化」は同じような言葉で表記されていますが、中身を見ると18次公募「事業化面」はそもそも補助事業をしっかりできるかの体制や資金繰りに問題ないか等、補助事業そのものに焦点が当てられているのに対し、19次公募「事業化」は補助事業によって生み出す製品・サービスが市場や顧客にとってどのような価値があるのか、その価値をどのように提供するのか、という補助事業を実施した先の内容に重点が置かれているので、事業計画書を作成する際は審査項目の内容を意識して作成することが必要です。

公募要領をよく確認しスムーズな申請を

いよいよ始まる2025年のものづくり補助金は、さらにパワーアップし中小企業や小規模事業者の皆さまにとって事業拡大に向けた強力な支援策となります。金額の大きさや幅広い対象経費による使いやすさはこれまで同様に魅力的ですが、審査項目を始め変更点がありますので公募要領をしっかり確認し申請に臨むことが重要です。ものづくり補助金をうまく活用することで、タイミングに合った設備投資とそれによる流れを捉えた事業拡大に繋げていきましょう。

社会保険労務士法人プラットワークスでは、多数の企業様に補助金や助成金の支援を行っていることや、自ら補助金や助成金の採択・通過した実績を踏まえ、皆さまの支援をいたします。
また、2025年226日(水)に設備投資や事業拡大に向けた補助金を活用するための無料ライブセミナーを実施しますので、ぜひご参加ください。

 


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助成金・補助金・給付金申請支援


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