ハラスメントとは、職場や社会生活において相手の尊厳を傷つけ、不利益や精神的圧迫を与える行為全般を指します。従来は個人間の問題とみなされがちでしたが、近年は企業のリスクマネジメントや法令順守の観点から重大な経営課題として扱われています。厚生労働省も対策を企業に求めており、組織として未然防止・再発防止体制を整備することが不可欠です。職場の活力維持、生産性向上のためにも、管理職や専門職が基礎知識を持ち適切に対応することが重要です。 近年では、働き方や社会構造の変化に伴って新たなハラスメント類型も注目されています。

以下は、特に企業が押さえておくべき代表的な例です。

パワーハラスメント（パワハラ）： 職場での優越的地位を背景に、精神的・身体的な攻撃や不適切な指示を行い、労働者の就業環境を害する行為。

ジェンダーハラスメント： 性別や性役割への偏見に基づく発言・扱いにより、個人の尊厳を傷つけたり働きにくい環境を生む行為。

モラルハラスメント（モラハラ）：言葉や態度による長期間の精神的攻撃・蔑視・孤立化によって、被害者の心身に深刻な影響を与える行為。

カスタマーハラスメント（カスハラ）： 顧客や取引先が立場を利用して、暴言・過度な要求・長時間拘束など不当な対応を従業員に強いる行為。

セクシュアルハラスメント（セクハラ）： 性的言動により相手に不快感や不利益を与え、職場環境を悪化させる行為。

マタニティハラスメント（マタハラ）： 妊娠・出産・育児を理由とした不利益取り扱いや嫌がらせを行い、労働者の就業継続を妨げる行為。

ケアハラスメント： 家族の介護や看護を理由に不当な扱いをする、または介護負担を過度に押し付ける行為。