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補正予算が決まり続々と補助金や助成金の情報が出始めていますが、令和7年度補正予算および令和8年度当初予算案においては引き続き、賃上げ対応や人材確保、事業承継、事業再生といった経営課題に対し、雇用や人への投資を下支えする助成金・関連制度が一体的に位置付けられている状況です。物価高や人手不足、事業環境変化に直面する中小企業・小規模事業者にとって、助成金は単なる運転資金として受け取る資金ではなく、今後の事業拡大や生産性向上といった「攻めの経営」を進めるものとして欠かせない存在です。今回は、最新の助成金動向を踏まえながら情報を整理してポイントを解説していきます。
助成金とは?補助金との違い
そもそも助成金とは何か。補助金と助成金は中小企業の資金支援という意味で似ていますが、細かく見ると大きく異なります。初めて申請を検討されている方はまず助成金がどのようなものなのか押さえていきましょう。これまで申請した経験がある方も復習として、ぜひ活用してください。

特に大きな違いとしては、補助金は要件を満たしても厳格な審査があるため、補助金内容によっては採択率が50%を切るものもあります。一方で、助成金は要件を満たせば高い確率で採択されるので、補助金と比べて資金計画が立てやすいという特徴があります。また、助成金の申請代行や関連書類の作成は社会保険労務士の独占業務となりますので、サポートを依頼する際は注意が必要です。
助成金を体系化した「賃上げ」支援助成金パッケージ
政府が出している助成金は様々なものがありますが、どの助成金を申請すればよいか分かりやすいようパッケージ化されまとめられています。特に助成金申請をする際には賃上げ要件が大きくかかわるため、企業が実施しやすくするために、また賃上げに繫がる行動をとった企業に対して関連する助成金を一体的に活用できるよう「賃上げ」支援助成金パッケージとしてまとめられています。
自社がどの助成金を申請するのがよいか、まずはここからチェックすることをオススメします。
業務改善助成金
業務改善助成金は、「賃上げはしたい。でも設備投資まで一気には厳しい…」という経営者の悩みに寄り添ってくれる制度です。最低賃金を上げることとセットで、作業効率を上げるための機械導入や業務の見直しに取り組むと、その費用の一部が助成されます。
対象になる賃上げは少人数でも可能で、従業員1人の引き上げから申請できるのも使いやすいところです。助成率は3/4~4/5と比較的高く、賃上げ額に応じて最大600万円まで支給される可能性があります。まずは小さく始めて、現場を回しながら賃上げを進めたい会社には検討しやすい助成金の一つです。
特に令和8年度は業務改善助成金の予算が前年度の15億円から20億円アップし35億円になりましたので、設備や人の投資に力を入れていきたい政府のメッセージが伝わってきます。当法人もこの補助金を活用し採択された実績がありますので、まだ活用したことがない方はぜひ活用を検討してみてください。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、パートさんや契約社員さんなど、いわゆる非正規の方の処遇を上げたり、正社員化を進めたりする会社を後押ししてくれる制度です。現場で頑張ってくれている人が多いほど「少しでも還元したい」「待遇を良くして長く働いてもらいたい」と感じる経営者の方も増えています。
賃上げ支援の枠で使う場合は、主に「正社員化コース」と「賃金規定等改定コース」が対象です。たとえば、非正規の方を正社員に切り替えたうえで賃金を3%以上引き上げる、あるいは非正規の方の基本給を3%以上増額する、といった条件が求められます。いきなり大きく変えるのは難しくても、「少しずつ働きやすい職場にしていきたい」ということを検討している会社には相性がよい制度となります。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、「社員に研修を受けさせて育成を進めたいのに、費用や時間の都合でつい後回しになってしまう・・・」という事業者の人材育成に関する課題を支える制度です。研修後にきちんと賃上げを行えば加算が受けられるため、スキル向上と待遇改善を同時に進めたい場合にも活用しやすいのが特徴です。人材が育って定着してくると現場の動きが安定し離職防止にも繫がります。
また、令和8年度の人材開発支援助成金のポイントとして、以下の文章が追加されました。
訓練終了後、労働者が訓練によって得た知識及び技能を活用し生産性向上 を図ることのできる機器・設備等を購入した場合に助成
令和7年では職務に必要な専門知識・技能の訓練を行った場合に訓練経費や訓練中賃金の一部を助成することと合わせ、「賃上げ」自体に重点を置いたものでした。一方で令和8年は賃上げは前提にしつつ、購入した設備等による「生産性向上」に重点を置くという、さらに一歩踏み込んだ狙いがあるということが分かります。
申請を検討している事業者様は、賃上げをして設備購入した後の事業計画についてもしっかり準備することが求められますので注意していきましょう。
事業計画とリンクする助成金を狙う
賃上げや人材確保がますます難しくなる中、活用できる制度はどんどん活用していくというのは良いことなのですが、助成金は「とりあえずもらっておこう」「もらえたらラッキー」と捉えるものではなく、会社の次の一手を後押ししてくれる制度であることは忘れないようにしたいところです。今回ご紹介した助成金も、賃上げだけでなく多くの会社が抱える課題である人材育成や職場環境の整備、生産性向上につながる取組を応援する内容になっていますので、大切なのは制度に合わせて動くのではなく、自社の計画を基にした課題や目指す姿に合わせて上手に使っていきましょう。早めに情報を押さえて準備することで無理のない形で活用しやすくなりますので、ぜひ使える助成金がないか、自社の事業計画を踏まえ検討してみてください。
補助金・助成金は制度の種類も要件も幅広く、同じ会社でも「今の課題」によって最適な選び方や進め方は変わります。大切なのは、申請して終わりにするのではなく、賃上げや人材育成、設備投資といった取組を、自社の経営方針や現場の実態に合う形で回していくことです。目的(何を改善したいのか)、対象(誰・どの業務に効かせるのか)、計画(いつまでに何を実行するのか)を整理し、実行と効果確認までつなげられると、制度活用は「一時的な資金」ではなく「次の成長への投資」になります。
プラットワークスでは、助成金・補助金の活用に向けた情報整理から、要件に沿った計画づくり、実行後を見据えた運用面の整備まで、実務に即した支援を行っています。活用を検討される際は、お気軽にご相談ください。
助成金・補助金・給付金申請支援 - プラットワークス|社会保険労務士法人プラットワークス|東京都 千代田区 大阪市|社労士法人 社労士事務所
また、すぐに契約というほどではないが「専門家に相談したい」といった、スポット的なアドバイザリーも弊法人では受けております。企業様のご相談のほか、個人の方からの相談についても、元労働基準監督官である弊法人の代表が相談内容を聞き、ご状況を踏まえつつ個別のアドバイスを行います。
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