社員の成長にフォーカスした人事制度へ ~報酬のための制度を超え、社会貢献に繫がる仕組みをつくる~

仕事に慣れていくと、任される仕事が増え、難しい案件にも対応できるようになり、周囲から頼られる場面も確実に増えていきます。それでも評価や処遇の説明が曖昧なままだと、「自分は何ができるようになったのか」「何が評価されているのか」が見えにくくなります。結果として、頑張っているのに手応えがない、成長している実感が持てない、何に対して貢献できているのか分からない・・・そんな状態になってしまうことはないでしょうか。
会社の制度が古いままだと、成長しているのに報われない、役割が増えているのにいつも同じような見られ方をするなど、結果として「頑張っていても成長しているのかが分からない」「貢献出てきているのかが分からない」ということに繫がってしまいます。不確実なことが増えている今だからこそ、このギャップを埋めていく人事制度が必要になってきます。
前回のコラムでは管理職にフォーカスしましたが、このような悩みは管理職に限らない悩みですので、今回は個人の社員に焦点を当てて内容を深堀りしていきましょう。

役割を深化・拡大すると、なぜ社会貢献につながるのか

社会貢献という言葉は大きく聞こえてしまいますが、現場の役割の深化・拡大することで会社の中や外にどんどん波及することになります。シンプルに考えると、役割が深まるほど「成果の品質」と「再現性」が上がり、役割が広がるほど「影響範囲」が外へ広がるというイメージで見てもらえれば分かりやすいと思います。

ここでは、深化と拡大を以下のように定義します。
深化:役割の質・再現性・難易度に応じた業務遂行能力が高まること
拡大:役割の影響範囲や関わる業務領域が広がること

このように各業務の内容について定義し、深化と拡大を見える化することで自分の成長を実感することができるようになり、そのことが社内の生産性向上や離職防止に繫がり、サービス品質向上・社外への波及による社会貢献や組織貢献につながっていくという流れです。
つまり、お金のためだけではなく、役割を深化・拡大すること自体が、価値提供の範囲を外に広げていくという意味を持っています。そして、このような考え方の制度を貢献度マトリクスをベースとする役割貢献制度と呼んでいます。各業務を正しく言語化し報酬と結び付けられると、仕事が単なる報酬のための負荷ではなく、「自分の成長=提供価値を広げること=社会・組織貢献」として捉えやすくなります。

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役割貢献制度は「ターボエンジン」のようなもの

役割貢献制度をターボエンジンに置き換えると、「成長(深化 × 拡大)」と「継続できる推進力(意欲の再点火)」を、同じモデルの中で説明できます。制度の狙いは、頑張りをいわゆる「やりがい搾取」にするのではなく、意欲(インプット)→行動(点火)→成果(アウトプット)→排気(ストレス)→内省→再点火の循環を設計し、継続的に前に進める状態をつくることです。

1. インプットは「やる気・意欲・モチベーション」であり、エンジンを動かすガソリン

エンジンが動くためには点火が必要です。役割貢献制度におけるインプットは、スキル以前に「やる気・意欲・モチベーション」です。
点火が続けば推進力が出ますが、インプットが足りなかったり点火のタイミングが悪いと点火が途切れ、止まってしまいます。点火が途切れる代表例がバーンアウト(燃え尽き)で、バーンアウト(燃え尽き)は、長期間のストレス負荷により仕事への活力や心理的エネルギーが大きく損なわれた状態を指します。バーンアウトについての詳しい説明は以前のコラムを参考にしてください。

コラム:バーンアウトの構造と「燃え尽き」を防ぐワーク・エンゲージメント

2. エンジンを「深化」と「拡大」として捉える

エンジンには筒状のシリンダーがあり、ピストンが上から下まで動く距離である「ストローク」とシリンダーの内径、つまりピストンができる円筒の「直径」であるボアがあります。たとえば、1つのシリンダーの容量を500mmと考えると、どの程度のストロークで点火するか=役割の深化(質・再現性・難易度対応が上がる)という見方ができます。
また、シリンダーをいくつ用意するのか=業務を拡大させるのか、もその車である従業員の能力や組織の状態に応じて自由に設計することができます。
ここでポイントなのは、社員個人の考えているキャリアや会社の業務の内容を踏まえ、役割の深化と拡大を柔軟にカスタマイズできるというところが強みになります。

3. ピストン運動=業務の活動・行動、アウトプットにより目的地(組織の目標)に向かう

ピストン運動は日々の業務の活動・行動そのものです。行動が繰り返されることで、エンジンはトルクを生み、結果としてアウトプット=車が前に進みます。
このとき役割貢献制度で見るポイントとして、社員の目線では「自分の何を伸ばせばよいのか」「どのようなキャリアがあるのか」をとても気にしています。ここが可視化されると、そこに向かって取り組みやすくなり、成長と成果が結び付きやすくなり、結果として組織貢献度や社会貢献度の高いアウトプットを出せるようになるのです。

ただ、どれだけ制度を精緻に設計しても、人が行動する以上、ストレスや感情の揺れが発生することは避けられません。役割貢献制度はエンジンそのものと言えますが、排気処理まで考えた運用をしないと長期運転をし続けることは難しくなります。
つまり、事業を行う=運転をすると成果(アウトプット)が出る一方で、排気=ストレスや不満は避けられないため対処を考える必要があります。

4. Plattalksの役割①:避けられないストレス・不満を抑える(=冷却装置)

ピストン運動で成果(アウトプット)が出る一方で、必ずストレスや不満(排気)が出ます。
問題は排気の存在そのものではなく、排気が溜まり続けて「点火ができない状態=インプットがだんだん少なくなる、エンジンが廃棄で詰まり焦げ付いてしまう状態」になることです。ここでPlattalksを活用し、カウンセラーによって「自分を知る」「内省する」機会を設けることで、自分自身を見つめなおすことができるようになり、新たな気づきに繫がります。エンジンを冷却させるように冷静に自分自身をしっかりとらえられるようになると、次に何をすればよいか明確になりますし、それが新たな意欲・モチベーションに繫がり強い行動につながることになります。

5.Plattalksの役割②:排気を新たな火種に変換し循環させる(=ターボチャージャー)

カウンセリングの価値は、単なる愚痴の受け皿ではありません。
4.で触れたように、避けられないストレス・不満(排気)を最小限にする(蓄積させない・暴走させない)ことを「受け」の役割とするなら、もう1つの役割は内省によって排気を新たな意欲・モチベーションへ変換する(次の点火にする)「攻め」の役割です。
排気をただ減らすだけでは推進力は戻りません。社員が自分自身で意欲やモチベーションを生み出し続けることは、できなくはないですが非常に大変です。そこで専門家のアドバイスを活用し、排気を「学び」として再構成することでターボがかかるように次の業務へ向けた意欲が増幅させることができるようになります。

6. エンジンは可視化されたコンピューター=目的地が決まれば、自分で調整できる

このモデルの強みは、エンジンがブラックボックスではなく、可視化されたコンピューターのように扱える点です。
目的地(アウトプット)が決まれば、「どの程度動かすのか(どれだけ行動するのか)」「深くするのか(深化)」「広げるのか(拡大)」を自分で決めることができます。制度側は「押し付ける」のではなく、「選べる状態」を作ることが重要になります。

7. ストレス・不満を意欲へ変換できれば、永久機関に近づく

排気(ストレス・不満)を放置すると点火が止まり、推進力が落ちます。
しかし、排気をPlattalks等で内省し、意欲・モチベーションへ変換できれば、行動→成果→排気→内省→再点火→行動の循環が回り続けます。
これにより、ターボエンジンのように次の推進力が生まれ、結果として「サスティナビリティ(持続可能性)」を備えた経営、つまり持続可能な成長サイクルを無理なく作る体制に近づきます。制度としては、これを個人任せにせず、排気処理(ケアと内省)まで含めて運用設計に入れることが重要です。

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自らの仕事を価値の提供に変え貢献に繋げる

改めてになりますが、「給料か、やりがいか」という二択ではなく、役割の深化・拡大をしっかり言語化し報酬とつなぐことで、仕事は「負荷」というネガティブなイメージから「価値の提供」というポジティブなイメージへ変えることができます。そして価値の提供をすることは、それ自体が社会貢献に繫がっていくということになります。
当然、どれだけ前向きに捉えようとしても、ストレスや不満をゼロにすることはできず、必ず発生します。そして推進力は、排気(ストレスや不満)が詰まることで焼き付いてしまい、いわゆるオーバーヒートのようになり、最悪の場合止まってしまいます。だからこそ、避けられない排気は最小限に抑えつつ、制度によって見える化し透明性を高め、Plattalksのような内省の場で排気を火種に変えて力にし、再点火できる循環を整えることが重要です。これによって組織を好循環で回し続けることができるようになるのです。
社員一人ひとりが自分の現在位置を認識し、上司含め周りの人がそれを応援する、伴走する環境をつくれば、やらされ感は減り挑戦が続いていきます。小さな一歩として、まずは自部署の主要業務を「深化」「拡大」の視点で棚卸して見るのはいかがでしょうか。

 

組織に合った人事制度を実際に機能させるためには、制度設計だけでなく、その運用を支える体制づくりが不可欠です。期待される役割や評価基準、処遇の考え方を明確にし、それらを日常のマネジメントに落とし込む仕組みを整えることで、制度は初めて企業の成長を支える実効性のある仕組みになります。
プラットワークスでは、事業戦略や組織課題に応じた人事制度や株式報酬制度の設計に加え、運用が定着するためのプロセス整備や評価者研修など、実務に密着した支援を提供しています。
制度の導入や見直しをご検討の際は、ぜひお声がけください。

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