ライフワーク、ライスワーク、ライトワーク——あなたの「働き方」を見つめ直す

現代社会において、「仕事」に求めるものは人それぞれです。生活のために働く「ライスワーク」、対外的に良い仕事を意味する「ライトワーク」、そして「ライフワーク」という本記事での定義は、それぞれ異なる価値観を持つ働き方を表します。これまでのコラムで、働くことと自己実現の関連を述べてきましたが(1)(2)、本記事では、ライスワークやライトワークとの違いを踏まえながら、「ライフワーク」の本質と意義について考察し、弊法人の考える働きがいと自己実現を重視した働き方・生き方を提唱します。

 

ライスワーク(Rice Work)——生活を支える仕事

ライスワークとは、いわゆる「生活のための仕事」を意味します。多くの人にとって、働くことは生活を成り立たせる手段であり、家族を養い、毎日の生活を送るために必要な収入を得るためのものです。この働き方においては、「経済的価値」に基づき、金銭を報酬とし、その多寡をもって評価が行われます。労働は金銭へと即時交換されます。

ライスワークが提供する安定性は魅力的ですが、収入や安定が何より重視され、その人固有の価値は見出されづらいので、長期的には満足感に欠けることがあるかもしれません。このことが、精神的な疲弊やバーンアウトの原因にもなりうるのです。

ライトワーク(Right Work)——他者の承認を求める働き方 

次に、「正しい仕事・良い仕事」を指すライトワークは、「精神的価値」に基づきます。ライスワークが金銭によって評価されるのに対し、ここで得られる価値は精神的なもの、すなわち、組織への所属の感覚や社会的な承認、他者からの評価等によって測られます。報酬となるのは、金銭ではなく、褒賞や栄誉であり、ある一時点で即時的に支払われるのではない貸借関係をベースとします。

 自分のなした仕事が上司や同僚、社会にどのように注目され、認められるか。社会的評価の高い企業で働いているかどうか。そこで得られる満足感がベースとなり、逆に求めるものが得られないと動機づけを失います。外的な成果や他者の評価に重きを置きすぎると、自分の心に響く内発的な動機に動かされているのではないため、働きがいを持った労働にはつながらない場合もあるのです。 

ライフワーク(Life Work)——自己実現を目指した「一生の仕事」

ライフワークは、金銭的な報酬や他者からの評価ではなく、自分が心からやりがいを感じる活動に重きを置く働き方です。心理学でいう『フロー(没入)体験』を仕事の中で得られる状態とも言えます。生涯の仕事や「天職」とも呼べるでしょう。自分の価値観や人生の意義と一致する活動を、見返りを期待することなく行うため、本人は「普遍的価値」を感じています。

ライフワークには、収入や社会的地位の向上ではなく、内的な満足感が重視されます。自らの充足感こそが報酬であり、この働き方を追求することで、職業生活そのものが自己実現の一環になります。ストレスやプレッシャーを感じることなく、自らのペースで成長していくことが可能です。

ライフワークを見つけるために必要な視点

ライフワークを見つけるには、まず自身の価値観やビジョンを見つめ直し、「何のために生き、何を達成したいのか」を考えることが重要です。以下の視点を参考に、自己分析を行いましょう。

  1. 価値観の確認: あなたにとって最も大切な価値観は何かを考えましょう。家族、自由、創造性、奉仕など、どのような価値観があなたの人生を豊かにしてくれるでしょうか。
  2. 情熱を見つける: 一生続けても飽きない、時間を忘れるほど没頭できる活動は何でしょうか?情熱を持つ分野が、ライフワークの源となります。
  3. 自己の使命: あなたが持つ才能や経験を通じて、どのように世の中に貢献できるかを考えましょう。それがライフワークの基盤となります。

普遍的価値を持つ働き方

ライフワークは、必ずしも収入や社会的な成功を第一の目的としないため、周囲の目や期待に左右されない働き方です。働くことが生きることそのものであると感じられるため、ストレスやプレッシャーにとらわれず、自らの価値観に沿って自由に働くことができます。企業で働く労働者であっても、ライスワーク・ライトワークとして自らの今の仕事を捉えるだけでなく、それをライフワークにできるかどうかが、労働時間を通して幸せになる鍵となり得るでしょう。企業の側にも、従業員が自己実現の感覚に満ち、働きがいをもって労働に向かえるようなエンゲージメントの高い組織づくりが求められるかもしれません。
しかし、多くの企業では、評価制度がライトワーク(承認)に依存する傾向があり、ライフワークを阻害する構造的な課題が存在します。

また、ライフワークを見つけるには、まず自身の価値観やビジョンを見つめ直すことが不可欠ですが、多忙な中で一人でそれを成し遂げるのは困難です

プラットワークスでは、企業で働く従業員様が、自分自身の興味やモチベーションを知り、自己実現の視野をもって仕事に向かえるよう、公認心理師・臨床心理士にオンラインカウンセリングを受けていただける福利厚生サービスPlaTTalks、また、働きがいある組織づくり、環境問題・社会問題への貢献を考えた経営理念の策定には、“ビジョン構築コンサルティング”を提供しております。

 

 

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