労務管理
労災認定は、労働者の命と健康を守るための安全配慮義務が果たされていたかを判断する、事業主責任の“最終検証ポイント”です。通勤災害や業務災害に加え、精神疾患、長時間労働による脳・心臓疾患など認定範囲は社会情勢を踏まえて拡大し、その基準も年々複雑化しています。企業にとって労災認定は、保険料の増加や信用低下につながるだけでなく、安全衛生体制の不備を問われる重大なリスクです。
労災は他人事ではありません。労働時間・休憩時間の管理、有給休暇の取得状況、就業規則の適正運用は、労災保険給付の判断に直接影響します。特に変形労働時間制やフレックスタイム制を導入する企業では、複雑な労働時間管理が労災認定リスクを高めないよう、労働条件明示義務に基づいた体制整備が不可欠です。
日常の安全衛生管理から、万が一の際の適切な労災保険申請手続きまで、労災認定は企業防衛とコンプライアンスの核心となるテーマです。

