60%以上の社員が感じる評価のズレを解消 ~役割貢献制度が納得感を生む理由とは?~

「自己評価は全てS評価です。あとは課長の方で調整しておいてください」

このような話を聞いたことはないでしょうか。極端に見えますが、このようなやり取りは実際に起こっています。それだけ人事評価は揉めやすいテーマなのです。
経営者としては「ちゃんと制度も運用しているつもり」でも、社員側からは「評価の理由がよく分からない」「頑張ったのに上がらない」「給与に反映されていない気がする」と言われてしまう。これは企業の規模にかわらずどこでも発生する可能性がある問題です。では、どうすれば「評価の納得感」を上げられるのか。
現行の評価制度のまま面談を増やすだけでは限界があるケースが多いです。そこで効果が出やすいのが、役割貢献制度の考え方です。今回はこの「評価のズレ」に焦点を当ててみていきましょう。

役割貢献制度については過去のコラムもご覧ください。
トータルリワード時代の新しい人事制度 ~役割の「拡大 × 深化」を実現する役割貢献制度~

自己評価と実際の評価結果にギャップを感じている人は63.8%

自己評価に対する不満は一部の人だけの話ではありません。自己評価と人事評価の結果にギャップがあった人は63.8%という結果が出ています。つまり、多くの人が「評価が自分の実感と噛み合っていない」と感じているわけです。
「最近の20代や若者は自己肯定感が高いから評価に苦労する」といった話も聞いたことがありますが、果たしてそうでしょうか。自己肯定感の高さが自己評価のギャップにつながる確実な根拠はないですし、世代で一括りにして決めつけてしまうと余計にこじれる可能性が高いです。繰り返しになりますが、評価のギャップは被評価者側の問題として片付けるよりも、評価基準や処遇へのつながりが見えにくいといった構造的な問題として捉えていきましょう。

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<出典:「人事評価の結果に関するリアル」Job総研(パーソルキャリア)

現行制度が納得感を作りにくいのは、制度の構造が原因

ここで注意したいのは、評価のギャップが生まれてしまうのは上司の評価スキルが低いことや、部下の理解度が低いことだけが原因ではなく、制度の構造がギャップを生みやすいということです。
現行の評価制度で納得感が上がりにくい一番の理由は、評価基準がどうしても「ふわっと」しやすいことです。たとえば「主体性」「協調性」「課題解決力」のような、いわゆるコンピテンシー(行動特性)項目は、悪いわけではありませんが評価者によって解釈がズレることもあります。そうすると社員側は「結局、上司の印象で決まっていない?」と思ってしまう。

もう一つ大きいのが、評価と給与のつながりが見えないことです。評価が良くても昇給が小さい、逆に評価が普通でも給与が上がる。こうなると社員は「評価って何のため?」「頑張っても頑張らなくても大して変わらない」となってしまいます。評価そのものに納得していない、評価後の年収に納得していない社員も4割以上いることも見逃せません。
さらに、「自分より仕事をしていない人と同じ評価だった」に87.5%が共感という数字は強烈です。ここまで共感が集まるのは、評価の基準やプロセスが「社員から見て透明性がない」ことの裏返しと考えてよいでしょう。
つまり、問題は「評価面談が足りない」だけではなく、そもそも制度のつくりが納得感を生みにくい形になっているということです。
そこで役割貢献制度です。役割貢献制度は処遇の透明性や給与と役割のつながりといった課題を解消し、高い納得感の持ち業務に取り組むことができるようになる特徴を持っています。

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<出典:「人事評価の結果に関するリアル」Job総研(パーソルキャリア)

役割貢献制度は「マトリクス×業務の再現性」で、評価と賃金がつながる

役割貢献制度のポイントはシンプルで、評価を「上司の印象」ではなく、どのような役割を果たしているか、そしてその役割をどのレベルで再現できるか(再現性)で見ていく発想です。
役割貢献制度では、役割と求める水準をマトリクスで整理します。たとえばイメージとしては、

  • 縦軸:役割の深さ(高い難易度の案件をこなせるなど)
  • 横軸:業務の拡大(新たな業務にチャレンジできるなど)
    という形です。

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そして、各マスに「この業務が再現性のある形でできたらこの水準」という報酬を置くことで、社員がその業務を確実にこなせれば、そのマスの賃金を得られるという形になります。

これがなぜ納得感につながるかというと、「次に何をクリアすればいいか」が可視化されているため、社員が理解しやすいからです。現行制度だと、評価の説明を聞いても「じゃあ次どうすればAになるの?」が分からないまま終わることがあります。しかし、役割貢献制度は「この役割をこのレベルでこなせたらこの給与」という道筋が見える。そのため、納得感の高くなるのです。

なお、既存の人事制度では「評価」が一般的ですが、役割貢献制度では「承認」という概念を使います。
「評価」は会社が社員の働きを点数化したりランク付けすることが一般的で、差をつけるための判定になりやすいのに対して、「承認」はその役割の達成基準を満たしたことを会社が認めることです。これは甘くするということではなく、基準に達したかどうかを明確にすること、という意味合いになります。
いわゆる上司の好き嫌いでの判定を排除し、公平公正な運用を行うことで上司も部下も納得感があり、且つ処遇検討に対する負荷を軽減することにつながります。

自己評価とのギャップや評価後年収への不満は、まさに「評価と処遇のつながりが見えない」ことが原因になりやすい領域です。役割貢献制度はそこに正面から向き合い、整理ができる制度になります。
もちろん、マトリクスを作ればいいという簡単な話ではないのも事実です。各マスの内容や報酬条件が曖昧だと結局主観に戻りますし、現実的な総人件費と合わないと実務上はまわることができません。とはいえ、少なくとも「処遇の土台」を社員が高い納得感のもとで理解できるというのは大きな意味を持っています。

「説明を頑張る」より「仕組みを見える化」して納得感を高める

評価の納得感が揺らいでいるのは珍しいケースではありません。そのような状況の中で評価面談を増やす、説明を丁寧にするだけで解決しようとすると、現場が疲弊しがちになってしまいます。
納得感は説明の上手い下手というより、「基準が分かりやすい」「成果につながる良い行動が再現できる」「給与につながる道筋が見える」ことで生まれてきます。役割貢献制度は、この重要なポイントを役割や業務の「拡大×深化」をマトリクスで整理し、到達したマスに応じて賃金が決まる形を作りやすい特徴を持っています。そのため、評価と処遇のつながりが明確になり納得感を作りやすい制度なのです。
全員が高い納得感を持ちながら前向きに業務に取り組む環境を創ることで、しっかりと成果を出しつつ持続的な運用につなげていきましょう。

 

組織に合った人事制度を実際に機能させるためには、制度設計だけでなく、その運用を支える体制づくりが不可欠です。期待される役割や評価基準、処遇の考え方を明確にし、それらを日常のマネジメントに落とし込む仕組みを整えることで、制度は初めて企業の成長を支える実効性のある仕組みになります。
プラットワークスでは、事業戦略や組織課題に応じた人事制度や株式報酬制度の設計に加え、運用が定着するためのプロセス整備や評価者研修など、実務に密着した支援を提供しています。
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